SURGERY
歯科口腔外科
歯科口腔外科とは

歯科口腔外科では、歯やお口の中をはじめ、顎・舌・頬・粘膜などのお口に関わるすべての症状を対象とします。
よくみられるのは、親知らずの抜歯、嚢胞(のうほう)、顎関節症、腫瘍、粘膜疾患などです。
歯科口腔外科で扱う疾患は外科処置を必要とすることも多く、歯科口腔外科医は専門的な知識・技術を有して、全身状態を考慮して治療に当たります。
自分の持てる力をすべて出し切って、患者さまが求めていることに応えたいと思っています。なるべく多くのお悩みを解消できるように誠心誠意努めてまいります。
当院の歯科口腔外科
の特徴

専門的な治療を行う歯科医師が担当
日本口腔外科学会 口腔外科認定医の院長が担当します。
口腔外科認定医は、基本的な口腔外科診療の経験と学術的研修の実績があり、さらに書類審査と筆記試験に合格することで認定されます。口腔外科専門医に準ずる技術を有するとみなされており、5年ごとの資格更新義務もあるため、常に新しい技術を身につけることが求められています。
全国の歯科口腔外科医療のリーダー的存在として期待されている資格です。

難しい症例も対応可能な技術と設備
当院は外科的治療に必要な検査機器や器具もそろっている環境です。
歯科口腔外科の治療経験が豊富な歯科医師が、複雑な生え方をした親知らずの抜歯、嚢胞・腫瘍の摘出、粘膜の切開などの難しい症例にも対応できる体制を整えています。
患者さまに少ない負担で治療を受けていただけるようにレーザー治療器や静脈内鎮静法にも対応しています。

高度医療機関との連携による適切な治療の提供
より複雑な口腔内の手術を必要とする場合や緊急性の高い症状の場合、全身と密接にかかわる重症度の高い歯科疾患や全身疾患があって加療が必要な場合などには、地域の総合病院や大学病院などの高度医療機関と連携して治療を行っています。
患者さまお一人お一人の症状に応じた適切な治療を提供できるように努めます。
歯科口腔外科の
主な症状
親知らずの抜歯

「親知らず」は、永久歯の中で最も奥に位置する歯です。
一般的に上顎・下顎の左右それぞれに1本ずつ、合計4本生えてきますが、生まれつき親知らずがない人や、4本より少ない人もいます。まっすぐに生えていて、特にトラブルがなければ抜く必要はありません。
しかし、斜めや横向きに生えた場合は汚れが溜まって炎症を起こしたり、手前の歯が押されて歯並びが乱れたりするなど、トラブルの原因になります。そうした場合は抜歯をおすすめします。
当院では、親知らずの抜歯経験が豊富な院長が難しい親知らずの抜歯にも対応しています。
抜歯をしたほうがよい親知らず
- 痛みや腫れがある
- 歯並びが変わった
- 親知らずや手前の歯がむし歯になっている
- 顎の痛みが出てきた
- かみ合わせのバランスが悪くなった
経過を観てもよい親知らず
- まっすぐに生えていて磨きにくい部分がない
- 完全に骨の中に埋まっていて腫れや痛みがない場合
- 周囲の歯やかみ合わせに影響がない場合
抜歯が難しい親知らずの例
生え方が複雑な親知らず
完全に骨の中に埋まっている、根が複数に分かれている、手前の歯に食い込んでいるなどの場合は歯や根を分割して取り除く必要があるため、高度な技術と時間を要します。
血管・神経との位置が近い
下顎には大切な神経や血管が通る「下顎管」という組織があります。親知らずは通常この下顎管の近くに位置していることが多いため、抜歯する前に下顎管との位置関係を的確に把握し、トラブルを予防して抜歯する高度な技術が必要となります。
口が開きにくい
生まれつきの口の形や顎関節症などで口が大きく開かない場合は、器具が奥まで届きにくいため、抜歯に時間がかかることがあります。
嚢胞(のうほう)

囊胞はお口の中によくみられる疾患の1つです。
袋状(膿の袋)のものが口の中にできる疾患を指します。
口腔外科領域において、顎骨や歯槽骨の中、舌、唇、粘膜などのさまざまな部位に生じます。
放置していると、徐々に大きくなってきて腫れたり、感染して痛みが出たりすることもあります。
嚢胞の種類
歯根嚢胞
歯の根の先にできる嚢胞は歯根嚢胞と呼ばれ、歯根の先端がふくらんだような形をしています。
痛みがないことも多く、口腔内のレントゲン写真撮影時に偶然発見されることもよくあります。歯ぐきから膿が出てきて気づくこともあります。
歯根嚢胞に細菌が感染したり、膿が溜まったりすると痛みが出ることもあります
含歯性嚢胞
骨の中に埋まっている歯を含むようにできる嚢胞で、自覚症状なく進行してレントゲン撮影時に発見されることが多い嚢胞です。大きくなると骨のふくらみで気づくこともあります。
埋まっている歯の抜歯を含めた嚢胞の摘出や嚢胞を切り開いて内容物を抜くこともあります。
粘液嚢胞
小さな唾液腺がふさがって、唇や頬の内側、舌の裏などにできる嚢胞です。口の中を噛んだり、何かが刺さったりして唾液腺がふさがってしまうことで生じます。舌下腺から分泌された唾液が口の底部で溜まってふくらんだものはガマ腫と呼ばれます。
生活に支障をきたす大きさになったら摘出を検討します。
歯根端切除

重度のむし歯まで進行すると、歯を残すために根管治療を行います。その際、根管治療で改善がみられない場合に、外科的な処置の一つとして「歯根端切除術」を行うことがあります。
歯の根の先にある「歯根嚢胞(膿の袋)」を除去するとともに、根の先端から3mmほどの部分も切除して、根管を緊密に封鎖します。こうすることで、一般的な根管治療では改善しなかった歯でも、抜歯を避けられる可能性が高まります。根管治療がいつまでも終わらない、もしくは何度も繰り返すという方に、効果が期待できる治療法です。
腫瘍

お口の中にできる腫瘍は良性・悪性のほか、悪性に進行する前の段階などもあります。
良性の腫瘍は顎の骨にできるものとそれ以外の部位にできるものがあり、大きくなると組織を圧迫するために摘出が必要となります。
悪性腫瘍は舌がん、歯肉がん、口底がんなど、口の中のあらゆる部位にできる可能性があります。
口腔がんの検査・診断を行い、より詳しい検査や治療が必要だと判断した場合には、連携している高度医療機関へのご紹介も行っています。
粘膜疾患

粘膜疾患は、お口の中の粘膜の水疱、びらん、腫瘤、潰瘍などの病変で、腫れや痛み、赤み、ただれ、かゆみ、出血などの症状がみられます。
主な粘膜疾患として、アフタ性口内炎、口腔扁平苔癬、口腔カンジダ症、白板症、口腔乾燥症などがあります。
歯や食べ物による刺激、お口の中にいる細菌の影響、アレルギー物質など、さまざまなものが要因となり、症状も変化しやすいのが特徴です。
原因や症状に応じて、ステロイドや抗生物質などの薬物療法や外科的治療などを行います。
顎関節症

口が開かない、ポキポキと音がする、口を開けると痛むなどの症状がみられます。
原因はかみ合わせの不良、ストレス、外傷、顎に負担のかかる姿勢や癖など、さまざまです。軽度の場合は時間経過により症状が緩和することもありますが、重症化すると手術が必要になることもあります。
治療は、咀嚼を避けて顎にかかる負担を避けることやマウスピースの装着、鎮痛剤などによって症状の緩和を図ります。